2020.04.16

研究レポート

AIアナリスト運営から見えたB2BサイトでCVR改善に効く施策研究

調査に至る前提

コロナショックで落ち込む今こそ「接客」への投資を。約30,000サイトのデータから得られたCVR改善の定石を公開

「デジタルトランスフォーメーション」という言葉に後押しされ、企業のデジタル活用に対する投資額はいまだ増大している。さらには新型コロナウイルス感染症の影響で展示会などのオフライン施策の実行が難しい現在、オンライン上でより多くの売上やリードを創出するためWebサイト改善に注力する企業は多いだろう。

新型コロナウイルスの影響でマーケティング投資も慎重にならざるを得ない状況下にあるのは事実である。一方、このような環境下だからこそ、多くの企業でデジタルへの投資を検討するが、広告などの「集客」やWebサイト改修などの「接客」、そのほかも含めて、どこから手を加えるべきかに悩む企業が多い。

この環境下でのリード数の減少に対して、最初に行うべきは「接客」の改善であろう。なぜなら、自社のプロダクトに対してまだ興味を喚起できていない人々をWeb広告などで集めてきても契約まで結びつけることは難しいからである。むしろ、すでに企業のWebサイトに訪れてくれている、つまり興味をもっているホットな見込み客に対して、取りこぼしのないよう商談に結び付けていく「接客」への投資をするほうが容易だからである。

また、「接客」つまりCVRを改善することは、直近の効果はもとよりコロナショックからの回復後にも効果が継続するため、こうした経済の停滞期にはよりよい投資である。

株式会社WACULの提供する、AIがWebサイトのアクセス解析から改善提案まで自動で行う「AIアナリスト」はCVR改善を目指す多くの企業に導入されており、登録サイト数は30,000を超えた。改善提案と効果検証を幾度となく繰り返すことで、定石と言っても過言ではない、CVR改善率の高い施策が知見となって蓄積されている。

今回の研究レポートはAIアナリストにおいて登録数の多いB2Bサイトを例に、CVR改善の定石を広く知らせることを目的とする。

定石どおりの施策でどのぐらいCVRが改善するのか検証

あわせて、定石どおりに施策を実行することでどのぐらい成果が上がるのか、具体的な数値を明らかにする。

本調査では、定石どおりに施策を実行したB2Bサイトとして「AIアナリスト有料プラン導入企業」を取り上げる。サービス内容は以下のとおりで、ただ改善提案するだけではなく、実行・効果検証までを強力に支援する。

AIアナリスト
有料プラン
サービス内容
  • 具体的かつ定期的な改善提案
  • レポート機能
  • 効果検証機能
  • カスタマーサクセスによる実行サポート など

調査内容

Ⅰ.B2BサイトのCVRをAIアナリスト有料プラン導入前後で比較

AIアナリスト有料プランを12ヶ月以上導入しているB2B企業の中から、導入日が新しい順に10社を抽出。各社における導入前の12ヶ月間と導入後の12ヶ月間のCVRを調査し、どのぐらい数字が変化しているのか改善率を算出する。

Ⅱ.CVR改善に成功したB2Bサイトが取り組んでいる施策を調査

CVR改善に成功したB2Bサイトが取り組んでいる施策を洗い出し、共通する施策は何か調査を行う。

細かな調査条件は以下のとおりである。

データ抽出元 AIアナリスト
対象企業 AIアナリスト有料プランを12ヶ月以上導入しているB2B企業の中から、導入日が新しい順に10社を抽出
対象ユーザー 自然検索経由でトップページに流入したPCユーザー
対象コンバージョン 新規コンバージョンのみ(既存・中間コンバージョンは除く)
データ抽出期間 AIアナリスト有料プラン導入前後の12ヶ月

調査結果概要

Ⅰ.AIアナリスト有料プランを導入したB2BサイトのCVR改善率は平均155%

Ⅱ.CVR改善に成功したB2Bサイトの多くは以下の2つの施策を実行

  • A. ファーストビューにフォームへ直行させるCVボタンを置く
  • B. 商品詳細などCVRの高いページへ遷移させる動線を強化する

調査結果詳細

Ⅰ.AIアナリスト有料プランを導入したB2BサイトのCVR改善率は平均155%

調査対象企業10社のAIアナリスト有料プラン導入前後のCVRと改善率を一覧にまとめた。

AIアナリスト導入前後のCVR一覧

図表1のとおり10社すべてのCVRが向上しており、平均155.55%の改善が見られた。AIアナリストの有料プランを導入した場合、すなわち定石どおりにWebサイト改善を行った場合、CVRはきちんと改善することが明らかとなった。

Ⅱ.CVR改善に成功したB2Bサイトの多くは以下の2つの施策を実行

各社が取り組んでいる施策を洗い出したところ、共通するものが複数見つかった。

CVR改善企業が共通して実行している施策

全サイトに共通する「A.フォーム直行」と、半数のサイトが実行している「B.経由良い」について詳しく解説を進める。

A. ファーストビューにフォームへ直行させるCVボタンを置く

全サイト共通で取り組んでいたのは「ランディングページ(当調査の場合トップページ)のファーストビューに、フォームへ直行できるCVボタンを設置する」という施策だ。

こちらは既に過去の研究レポートにおいて提言しているため、詳細は以下よりご覧いただきたい。CVボタンの置き方や文言に関するノウハウもまとめている。

縦長LPはコンバージョンに寄与するのか?BtoBにおけるランディングページ(LP)のベストプラクティスに関する調査

ファーストビューがブランドメッセージで覆われていてCVボタンのないWebサイトはまだまだ多く見受けられる。当施策はCVR改善の代表例といえるため、いち早く取り入れることをお勧めする。

B. 商品詳細などCVRの高いページへ遷移させる動線を強化する

半数のサイトが取り組んでいたのは「商品詳細などCVRの高いページに遷移させる動線を強化する」という施策だ。(Webサイト改善に頻出する施策のため弊社ではこれを「経由良い」と名付けている。)

トップページ上に商品詳細ページへのリンクは当然既にある、と感じた方も多いだろうが、具体的には以下のような工夫を加え遷移率を上げることを指している。

  • 一読しただけでは何か分からない商品名(固有名詞)だけが記載されている場合、ユーザーがどんな商品か認識できるよう一般名詞を含むテキストへ変更する
  • 商品が複数存在する場合すべて横並びにするのではなく、よりCVRの高い商品が目立つよう優先順位をつける(※当然、単価やLTVも考慮する)

特にB2Bの場合、一度CVに至れば、営業担当との接点ができるため、他商品の紹介は容易だ。Webサイト上では割り切って商品に優劣をつた方が良い。

本調査の提言

B2BサイトのCVR改善には定石が存在する。特に注力すべき施策は「ファーストビューにCVボタン設置」と「CVRの高いページへの動線強化」だ。これらに取り組むことで、平均値でみてもCVRを155%伸ばすことができる。

オンライン上でより多くの売上やリード創出を目指すB2B企業であれば、これらを実行しない理由はないだろう。当研究レポートを参考に、ぜひWebサイトの改善を推し進めてほしい。

B2Bサイトのコンサルティングに関するご相談はこちらまで
https://wacul.co.jp/lab/contact/

WACUL 取締役CIO 垣内のコメント

B2BのWebサイトでCVRを上げる手法は、約3年前から確立されていましたが、10社中10社全ての企業で成果が出ていることには正直驚きました。

同じ成果を実現するために、10年前なら私が手作業で1社ずつコンサルティングしていました。しかし、今では改善手法が体系化され、AIアナリストを通じて再現性高くご提供できるようになり、嬉しい限りです。

もはやB2BのWebサイト改善なら、多額の費用を掛ける必要は一切なく、上記の「フォーム直行」「フォーム改善」「経由良い誘導」だけ実施すれば、100点満点中80点にはすぐ達するでしょう。

今回のレポートでは触れていませんが、上記が完成した次に力を入れるべきは、間違いなく「コンテンツ作成」です。自社のノウハウを体系化し、ブログ、ホワイトペーパー、セミナー、メールマガジン、SNSなどを通じて集客します。

「コンテンツ作成」は地道で時間も工数もかかりますが、思い切って投資を意思決定すれば必ず大きなリターンがあります。細かいABテストや、広告運用をやってる時間はありません。マーケティング担当から営業担当まで、総出でコンテンツ作成に勤しむべきだと考えています。

WACUL 取締役CIO 垣内勇威(@yuikakiuchi

1984年生まれ。東京大学を卒業後、株式会社ビービットに入社。大手クライアントのWeb改善コンサルティングに多数携わる。2013年に株式会社WACULに入社、取締役に就任。WACULでは、AIを活用したWebサイト分析サービス「AIアナリスト」の立ち上げに関わり、現在は「AIアナリスト」を基盤とした、新たな価値創造・事業創出をすべく、新規事業インキュベーションの責任者を担当。