WACUL Marketing DX Days Report【Day2】BtoBにおけるデジタルマーケティングの定石

WACUL Marketing DX Days Report【Day2】BtoBにおけるデジタルマーケティングの定石

WACULテクノロジー&マーケティングラボ所長・垣内が執筆した『デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?』の出版記念イベント・WACUL Marketing DX Days。各業界に精通したゲストをお招きし、デジタルマーケティングの定石を4日間にわたり語り尽くしました。

当記事では、『【Day2】“BtoBにおける” デジタルマーケティングの定石』の様子をお届けします。

ゲストはBtoBの営業・マーケティングを支援する才流栗原さんと、BtoBのWebサイト制作に強いベイジ枌谷さん。「ホワイトペーパーやSNS活用は本当に意味があるのか?」「コンテンツ制作は誰がどういう体制でやるべきか?」など、全BtoBマーケターが気になるお話を弊社垣内よりズバズバとお聞きしました。ぜひお楽しみください。

パネリスト

栗原 康太

栗原康太

株式会社才流 代表取締役

東京大学文学部行動文化学科社会心理学専修課程卒業。2011年にIT系上場企業に入社し、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げ。事業部長、経営会議メンバーを歴任。2016年に「才能を流通させる」をミッションに掲げ、経営者・事業責任者の想いの実現を加速させる株式会社才流を設立し、代表取締役に就任。

枌谷 力

枌谷力

株式会社ベイジ 代表取締役

1997年にNTTデータに入社、4年間営業職を経験した後、2001年にデザイナーに転身。制作会社やフリーランスでキャリアを積み、2010年に株式会社ベイジ設立。BtoB領域を強みとするweb制作会社の代表として、BtoBマーケティング、UX、デザイン、コンテンツ、組織デザイン、キャリア設計など、様々なテーマでイベント登壇、取材、寄稿等の活動を行っている。

モデレーター

垣内 勇威

株式会社WACUL 取締役CIO 垣内 勇威

株式会社WACUL 取締役CIO

東京大学卒。株式会社ビービットから、2013年に株式会社WACUL入社。改善提案から効果検証までマーケティングのPDCAをサポートするツール「AIアナリスト」を立ち上げ。2019年に産学連携型の研究所「WACULテクノロジー&マーケティングラボ」を設立し、所長に就任。現在、 研究所所長および取締役CIO(Cheif Incubation Officer)として、新規事業や新機能の企画・開発およびDXコンサルティング、大企業とのPoCなど、社内外問わず長期目線での事業開発の責任者を務める。

はじめに

垣内本日のテーマは「BtoBで成果のでない仕事とは」と「成果を出すために障壁を乗り越える方法とは」。才流の栗原さんとベイジの枌谷さんに根掘り葉掘りお聞きしていきます。

お二人とは実はTwitter上で出会うっていう今風な出会い方をしていまして(笑)、普段からよく一緒に登壇したり飲みにいったりすることもあるような仲です。本日はざっくばらんにお話できればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

ではさっそく1つめのテーマから。

1. BtoBで成果の出ない仕事とは?

BtoBで成果の出ない仕事とは?

魅力のないホワイトペーパー

垣内まず栗原さん、魅力のないホワイトペーパーってぶっちゃけどう思います?中身がペラペラなホワイトペーパーがそのあと商談につながるのかどうかって検証したことありますか?

栗原検証まではしたことがないのですが、タイトルと表紙のみ注力した中身がペラペラのホワイトペーパーで大量のリードを獲得し営業が頑張る、みたいなやり方をされている会社さんはたしかにありますね。魅力があって態度変容を促せるようなクオリティであることが当然望ましいとは思いますが、タイトルと表紙によってリード獲得効率は大きく違いますし、そこに架電することで商談を増やしやすい側面があるのは事実かと思います。

垣内僕インサイドセールスとしてホワイトペーパーをダウンロードしてくれた方に自分で電話をかけていた時代があるんですけど、「資料読みましたか?」と聞くと「あぁすみませんまだ読めてないんです」という人が7~8割だったんで、意外とペラペラでも問題ないかもしれないですよね。

枌谷さんってお客様のWebサイトを作る際にホワイトペーパーの動線を作りましょうと提案することはありますか?ちゃんとコンテンツを作れない会社も多いと思うのですが、お客様がホワイトペーパーを持っていない場合はどうされているのでしょうか。

枌谷BtoBのWebサイトだと最近はホワイトペーパーダウンロードページを作ることが非常に多く、こちらから提案することもありますね。すっかり定番の施策になっている印象があります。ホワイトペーパーをお持ちでない場合はお客様に作ってくださいとお願いする場合もあります。もちろん強制ではありませんけどね。

ホワイトペーパーにどこまでのクオリティを求めるかは、ホワイトペーパーの内容、ターゲット顧客の特性、お客様の体制などに寄る気がしています。例えば営業部隊が優秀できちんとフォローできるのであれば、「見た目が綺麗に整っていなくても営業で使っている資料を一旦ホワイトペーパーとして出してみたらどうですか?」というお話をしたりしますね。

垣内栗原さんは営業体制まで提案されていますよね。インサイドセールスなど、ホワイトペーパーダウンロード後の工程はどう組み立てていらっしゃるのでしょうか?

栗原ホワイトペーパーでリードをとって、いきなり商談を打診するだけでなく、一度セミナーなどに誘導してから商談につなげる、という流れは汎用性が高いのでよく提案しますね。もちろんサービスによってはセミナーなどの工程を挟まず、フォームの項目を工夫して最初にスクリーニングをかけ、良質なリードにのみ直接電話してくださいとお伝えすることもあります。

ざっくりした分類ですが、サービスの新規性や複雑性によってセミナーなどのナーチャリング工程をはさむかどうかを判断しています。Web制作会社や会計ソフトのようにお客様自身がどういうサービスかイメージできるものはセミナーをはさむ必要性が低いんですが、主にスタートアップが提供しているような新規性が高いサービスの場合は、セミナーに集客して、社会課題から説明して「あぁなるほどたしかにこういうサービスは必要だよね」と理解してもらうのが重要ですね。

垣内なるほど。サービス自体が新しいとその説明をするだけでもセミナーコンテンツとしておもしろくなりそうですね。

枌谷ちょっと話がそれてしまいますが、多くの人に読まれる可能性が高いホワイトペーパーなのであれば、リードをとらずに多くの人にバラまいてしまって、興味がある人はお問い合わせください……みたいなアプローチをとったほうが実は顧客化に繋がりやすいケースもあるような気がするんですよね。なんでもかんでもクローズドにしてリードをとるのではなく、自社の営業体制を考慮した上でどういう方法が最適なのか模索してもいいのかなと思っています。

栗原うちも元々ホワイトペーパーでリードを獲得していたんですが、最近Webサイト上でフル公開するようにしました。意図は複数あるんですが、たしかにリード情報をとらない方がより多くの人に見てもらえる、というのは間違いないと思っています。これって資料を拡散する経路をもってないと成り立たない話なんですが、弊社の場合は私のTwitterなどを通じてコンテンツを届けやすいこともあり、公開に踏み切りました。

垣内資料、めちゃめちゃ充実していますね。セミナーをご覧のみなさんもぜひ使ってみてください。

Webサイトリニューアル/クリエイティブの追求

垣内続いてWebサイトのリニューアルについて。僕はデザインを変えるだけのWebサイトリニューアルは本当に意味がないと各所で言い切っちゃっているんですが、Web制作会社であるにも関わらず枌谷さんも「必ずしもリニューアルすることが善じゃない」と発信されていますよね。リニューアルしたほうがいい場合そうじゃない場合はどう見極めているのでしょうか?

枌谷まず、費用対効果うんぬんの前に、CMSが古すぎるといった理由でリニューアルしなければならないことはありますね。10年近く前に作っているWebサイトだとそのまま改善していっても負の遺産を引き継ぐことになるので、いっそリニューアルしましょうと提案します。

あと意外と知られていませんが、最終的に同じページ数を変えるのであれば、部分改善よりも全体リニューアルのほうが費用をおさえられることも多いんですよ。部分改修で段階的に変えていくと、テストの工数がその分加わっていくからなんですよね。だから本当に費用対効果が高いかはよく考えないといけない。それから、他人が作ったソースコードをいじると予期せぬトラブルが起こり得るので、他社が作ったウェブサイトの部分改善はそもそもやりたがらない制作会社が多いのも障壁ですね。弊社もそこそこ費用をいただかないと、安易には引き受けられないところがありますね。

垣内なるほど。逆にそれ以外はリニューアルの必要性を検討する余地があるということですね。あとこれはかなり計測が難しく、ホワイトペーパーでも話したことに近しいですが、Webサイトのデザインをめちゃくちゃきれいに作り込むのってどのぐらい効果があると考えていらっしゃいますか?栗原さんはいかがでしょう。

栗原様々なプロジェクトに関わっての経験則としては、Webサイトの見た目がいい感じになるとお問い合わせの質が上がることは事実として起きると思っています。ちゃんとした見た目から企業の信頼性が向上し、リードの質にも影響しているんじゃないか、という仮説はありますね。

枌谷ちょうど先日対談した方が「BtoBは競合のWebサイトがあまりにもひどすぎることがあるので、見た目のリニューアルだけでも優位にたてることがある。そういう意味では、BtoCよりBtoBのほうが見た目のリニューアルで効果が出るケースは多いのではないか」とおっしゃっていたんですが、これはたしかにそうだと私も感じますね。

垣内おもしろいですね。たしかに横幅600pxみたいな古いサイトってまだありますもんね(笑)。

SNS活用

垣内続いてはSNS活用について。才流さんやベイジさん、弊社WACULの規模でいうとTwitterって結構インパクトあって、知名度がないなかでも案件につながったりゲリラ的な広報ができたりしますよね。一方で大手上場企業やスター社員がいない会社でも本当にSNSに効果があるのかをずばり聞いていきたいと思います。まずは栗原さん、いかがでしょうか?

栗原僕は「BtoBマーケティングの施策としてSNSをやったほうがいい」という発言を過去したことがないと記憶しています。理由は、広告、SEO、セミナー、展示会といろんな施策をフラットに並べて優先順位をつけたときにSNS活用が上位になることがほぼないと言っても過言ではないからです。

ただ、見込客がSNSを使って情報収集しているのは紛れもない事実なので、すごく情報発信が得意な方がいれば活用するといいかなと思っています。我々のような外部パートナーからはそれを見極めるのが難しいので提案にはいれていない感じですね。お客様との打ち合わせで「この担当の方はTwitter、得意そうだな」とはわからないですし、「Twitter、得意ですか?」とも聞けないので(笑)。

垣内それは聞かないですね(笑)。枌谷さんは普段からよくTwitter活用を推進されていますが、どう思われますか?

枌谷みんなやったほうがいい、とは私も思っていないですね。Twitterって向いている人ではないと続きませんし。ただ、いざやってみると社員の10%ぐらいは意外と伸びる、Twitterに向いている人がいるので、その人たちを掘り起こす意味はあると感じています。もちろんTwitterに全投入するのはよくありませんが、いろんな施策を並走している中でTwitterもやる、やらないよりはやった方がいい、という温度感で考えていますね。

弊社の場合は超重要な起点となっているのでSNSを重視しています。Googleアナリティクスでみるとソーシャル経由のお問い合わせって3〜4%なんですが、問い合わせフォーム上で聞く「ベイジを知ったキッカケは?」というアンケートによると、SNSで知った、あるいはそういった人から紹介されたのをキッカケにお問い合わせくださる方が約3割。さらに有効商談で見ると5割を超えています。正直なところ、SEO経由のお客様とは金額感が合わないことが多いんですよね。

ベイジを知ったキッカ

栗原参考までに、僕自身がTwitterを活用し始めたのには明確な理由があります。弊社がBtoBのマーケティング支援事業を本格的にやり始めたのは2018年なんですが、当然ながら競合他社は自社のデジタルマーケティングに投資をしていて、SEOもセミナーもFacebookもあらゆるチャネルがすごく混み合っていたんです。唯一空いているのがTwitterだったので、後発の弱者の生存戦略としてこのチャネルを活かさないと勝てないと思いました。こういう強い課題感が背景あると必然的にやり続けなきゃいけなくなるので、SNS活用にチャレンジしてみてもいいかもしれません。

垣内そう考えると、いまはTwitterもややレッドオーシャン化しているので2年前よりも戦いづらくなっているかもしれませんね。

ちょうど参加者から質問がきています。栗原さん、YouTubeはやってみてどうでしたか?

栗原現在もメンバーがせっせと更新しているんですが、ROIはチャネル単体で見てもあっていますね。ただ投資に対するリターンはそこまで大きくないです。

YouTubeを取り組んでいるのは自社の認知拡大のためもありますが、どちらかというと今みたいにお客様から「YouTubeどうですか?」「音声コンテンツどうですか?」とご質問いただいたときに外部支援業者としてきちんと回答するためです(笑)。正直なところ、You Tubeの運用には気合いがいるのでそこまでやりきれていませんが。

垣内動画コンテンツってブログ書くよりもめちゃくちゃ労力かかりますもんね。もう1つ質問に回答しましょうか。「コロナ禍においてBtoBのSNSの使われ方に変化はありましたか?」……枌谷さん、なにかありました?

枌谷コロナ禍・BtoBに限らずですが、最近はとにかくテンプレート化が激しいな、という印象があります。みんな「おはようツイート」をやったり、みんなプロフィールに「こんなメリットのあるアカウントです」と書いたり。こういうのを見ると私はつい逆をいきたくなりますが(笑)。

垣内「テンプレ化がすぎる」っていい言葉ですね。たとえば、炎上と隣合わせのTwitterを大手上場企業が本当に活用できるのかって僕としてはかなり疑問なんですが、それでも「とりあえずみんなTwitterやってるからうちもやったほうがいい」とか言い出す人がいますよね。本当に自社がやるべき施策なのか、しっかり考えるべきだと思います。

枌谷「施策ニュートラル」でありたいですよね。この施策はオワコンだとか、この施策はいい悪いではなく、大切なのは自分たちに向いているのかいないのか。成果が出るかどうかは施策自体の問題ではなく、やり方か相性の問題であると理解することは結構大事なポイントだと思います。

垣内おっしゃるとおりですね。手段だからオワコンもなにもないですし(笑)。

テーマ1を簡単にまとめますと、BtoBマーケティングと言ったらみんな「TwitterやってホワイトペーパーばらまいてMAでナーチャリングして……」とやろうとするんですけど、自社にとってやるべき施策とやらなくていい施策があるので、それをちゃんとゼロベースで考え見極めましょう、というメッセージをいただけたのかなと思います。

ここまででたくさん時間使っちゃいましたが、テーマ2にいきましょうか。

2. 成果を出すために障壁を乗り越える方法は?

成果を出すために障壁を乗り越える方法は?

コンテンツ制作

垣内2つめのテーマは「成果を出すための方法」です。成果を出す、ということを突き詰めていくと、やっぱりBtoBマーケティングならコンテンツが欠かせないと思うんですよ。事例もウェビナーもSEOも、いいコンテンツを作らなければ人は集まってこない

栗原さんも枌谷さんもめちゃくちゃコンテンツを作られる方ですが、そんなお二人に「企業はどうやってコンテンツを作っていくべきか」を聞いていこうと思います。枌谷さんはこれからコンテンツ制作支援事業もやっていきたいとおっしゃっていましたよね。

枌谷やりたいですね。やっぱりコンテンツ作りはBtoBマーケティングの一番の課題だと思っています。「いいコンテンツとはなにか」を以下のスライドに整理したんですが、いいコンテンツ、すなわち心を動かすコンテンツを作るためにはうまく文章を書く方法を身につけたり、コンテンツチームのリーダーが情報発信の文脈を整えたりすることが必要なんだろうな、と最近思っています。

いいコンテンツとはなに

垣内コンテンツ作りって総合格闘技ですよね。営業に近いところでお客様のことをよく理解する必要があるし、それをおもしろい文章にする能力もいる。組織のなかで誰がやるのが正しいんでしょうか。これ結構答えがない問いですよね。

枌谷さっきのTwitterと一緒で、コンテンツ制作は向いている人にやらせる系の施策な気がしますよね。向いていない人をできるようにするって結構ハードだなと。

垣内ちょうど参加者の方からもご質問いただいているんですが、「向いている人」ってどんな人なんでしょう?

枌谷文章を書くのが好きな人でしょうか。文章をうまくすることは教えればできるので、文章を書くことに抵抗がない人が伸びる印象があります。「そんなに書かなくてもいいよ(笑)」っていうぐらい文章を書きすぎちゃう人。

あとはビジネス向けの文章であれば、単純に自社サービスに対する愛情が強いとか、自分事のように自社を語れる人は素養がある気がしますね。

垣内なるほど。組織的にはどういうチーム体制が理想なんでしょうね。営業はなかなかコンテンツを作る時間がとれないし、かといってコンテンツ専任者が作るとお客様のことをまるでわかっていないポエムのような記事が量産されてしまう可能性がある。栗原さんどう思われますか?

栗原最初の枌谷さんのお話のとおり、やはりコンテンツ制作に向いていない人をできるようにするのはかなり厳しいと僕も思います。なのでまずは文章を書くことが苦ではない、文章を書き慣れている人を採用する、あるいは社内で引っ張ってくるのが優先順位としては最も高いかなと。その人たちに営業同行してもらったりカスタマーサポートを経験してもらったりして、自社のビジネスや顧客への理解を深めてもらう順番がよいのではないかと思いました。

枌谷壮大な話ですが、マーケティング組織の中にクリエイティブチームがあって、そこに編集者やデザイナーが一通りいるのが理想ですよね。

垣内いくらでも文章を書いてくる人が社内にいたらめちゃくちゃ強いですよね。BtoBのマーケターってそういう仕事じゃないの?と僕は思いますけど(笑)。

マーケターが組織を動かす4パターン

垣内ちょっと質問を変えまして、BtoBマーケティングで成果だせって言われたら、栗原さんはまずなにからやれっていいますか?

栗原成果を出すためには組織を動かさねばならない、という前提で、「マーケターが組織を動かす4パターン」というのを紹介しようと思います。ちょっといろんな軸が混ざっていますが、いろんなマーケターと情報交換するなかで感じたことをまとめています。

マーケターが組織を動かす4パターン

栗原まず1つめはストレートに、スモールスタートですぐ成果が出る施策をやる。2つめは、1人のビジネスパーソンとして信頼してもらえるような行動を心がける。あとこの派生なんですけど、3つめは本業で成果を出した上で勝手にいろいろチャレンジしちゃう。いまでは働き方の文脈でやりづらいですが、平日の夜や土日にコンテンツを作ってオウンドメディアを立ち上げるとかですね。さいごに、数は少なくてもいいので良質な商談を営業にセットできるかどうかは超重要だと思います。

垣内社内で信頼を勝ち取るってめちゃめちゃ大事ですよね。僕がお客様を支援するときも、営業とのコミュニケーションがうまくとれていない案件は相当きついです。Webサイトリニューアルもそうですよね、コンバージョンポイントをどう設定するのか、営業と意思疎通できないとそもそもいらないコンバージョンをとってしまう。

枌谷おっしゃる通りですね。我々がサイトを作るときも必ず営業の方に会って、「営業にとってどういうWebサイトだとよいか」を2時間ぐらいかけてヒアリングすることも多いです。

垣内「クイックウィンってどうやるんですか?」という質問がきていますが、こちらはいかがですか?

栗原セミナーやメールマーケティングはおすすめですね。あとは導入事例を作る。導入事例をメールのコンテンツとして配信すると商談に引き上がるケースって多いんですよね。営業時にも使えますし、導入事例はやって損がないすばらしい施策だと思います。

枌谷Webサイトでいくと、低予算ですぐ効果だしたいなら絶対にCTA改善ですよね。適切な文言に変えてデザインを目立たせていっぱい置く。あと電話番号載せるとかですかね。

垣内「ファーストビューにCTA置いてください」というと「もう置いていますよ」といいながらヘッダーにあるケースって多いですよね。そこじゃないよ!っていう(笑)。

もう一つ質問で、「これからマーケティング部門をつくる際、営業からコンバートしたほうがよいでしょうか、外からマーケティング経験者を採用したほうがよいでしょうか」ときていますが、これはいかがでしょう?

栗原社内からコンバートするにしろ、外部から採用するにしろ、とにかく実行力のある人ですね。仕事が早く、やると決めたらやってくれる人。やはりBtoBマーケティングってひたすらコンテンツを作る、インサイドセールスやフィールドセールス部門と社内調整する、みたいな馬力のいる仕事が多いんですよ。だから営業やマーケティングの経験があるかどうかより、実行力が重要なファクターだと思っています。実行力さえあればあとから知識は詰め込めますからね。ただ、実行力を育てるのってなかなか難しいと感じています。

垣内馬力は必要ですよね。ちなみに、仮にもう一人呼べるとしたら、僕だったら昔から営業部にいてリレーションを作れるような人を呼びますね。その方がいろいろ楽なんで(笑)。

+α 大手向けBtoBでデジタルは使えるのか?

垣内最後にちょっとおまけとして、大手向けのBtoBマーケティングについて聞きたいと思います。ターゲットが100社ぐらいしかないのにデジタル使う必要があるの?営業が通えばよくない?みたいな話があると思うんですが、栗原さんいかがでしょうか?

栗原最近大手向けのマーケティング支援が多いのでよく考えているんですが、まず一口に大手といっても様々で、デジタルでリーチしやすい業種や職種も十分あると思っています。たとえば、我々のいるマーケティング領域だと大手の方でもガンガンデジタルのチャネルで情報収集されているので、きっとお二人の会社にも大手企業から問い合わせがきていると思うんですよね。逆に大手の新卒採用や研修担当者のもとには日々、既に取引のある会社から情報が持ち込まれているので、デジタルのチャネルで情報収集している度合いは少ない印象があります。

それを踏まえたうえで、デジタルでなにができるかなんですが、大手企業さん向けの商材だと1回の取引で数千万以上の売上につながるケースも多いので、営業・マーケティング活動にもコストをかけられますよね。そこで一つおすすめしているのは、コンテンツをデジタル化してCookieで見込み客の行動を追いかけ、見込み客社内の検討状況を検知しながら営業がコミュニケーションをとっていくことです。ツールも進化していますし、実際に成果も出てきています。

コンテンツの閲覧ログ活用

垣内ありがとうございます。「一口に大手と言うな」ってすごくいいメッセージですね。マーケティングって大手/中小とざっくり区切って語られがちですけど、大手一つとってもお客様の像は違っていて効くコンテンツも変わるので、その解像度を上げないといけないですよね。

栗原そうですね。あと大手向けであっても自社が扱っているサービスの単価が安いとまたやれることが変わるじゃないですか。垣内さんのおっしゃる通り、お客様に対しても施策に対しても解像度を高める必要があると思います。

垣内今日のお話をまとめますと、「BtoB界隈だといまみんなこれをやってるから自社でもやろう」というテンプレ化された発想は捨てて、自社の顧客の解像度を上げ、自社にとってやるべき施策を見極めましょう……という感じでしょうか。

栗原さん、枌谷さん、本日は本当にありがとうございました!

【Day2サマリ】BtoBにおけるデジタルマーケティングの定石

1. BtoBで成果の出ない仕事とは?

  • ホワイトペーパーの質にどこまでこだわるかは営業体制とセット考える
  • ホワイトペーパーはリードをとらずに多くの人にバラまくほうが有効である可能性もある
  • SNSは向いていない人が無理にやる意味はないが、向いている人を掘り起こし情報発信させることはやれるならやったほうがいい
  • 自社にとってやるべき施策とやらなくていい施策をゼロベースで考え見極めることが大切

2. 成果を出すために障壁を乗り越える方法は?

  • BtoBマーケティングにはコンテンツが必須
  • コンテンツ制作に向いているのは文章を書くことが好きで自社に愛情がある人
  • 文章を書くことが好きな人を顧客接点部門に置いてコンテンツを作るのがおすすめ
  • 組織を動かすマーケターとなるために必要なのはスモールスタート&クイックウィン、ビジネスパーソンとして信頼を勝ち取る、本業で成果を出した上で勝手にチャレンジする、営業に良質な商談をセットすること
  • クイックウィンにおすすめなのはセミナー、メールマーケティング、導入事例
  • マーケティング部門に最適なのは実行力のある人

大手向けBtoBでデジタルは使えるのか?

  • 一口に大手といってもデジタルでリーチしやすい職種や領域もある
  • コンテンツをデジタル化してCookieで見込み客の行動を追いかけ、検討状況を検知することは有効

総括

  • 「みんながやってるから自社でもやろう」というテンプレ化された発想は捨て、自社の顧客の解像度を上げ自社にとってやるべき施策を見極めよう