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2020.09.14

過去の研究レポートにおいてもたびたびお伝えしてきたが、「お問い合わせ」だけでなく「サービス資料請求」や「ホワイトペーパー(ノウハウや導入事例をまとめた資料)ダウンロード」といったユーザーにとってハードルの低いCVポイントを設ければ、CVRは改善することができる。大量のリード獲得も見込めるだろう。
しかしながら、そうして得られたニーズ潜在層のリードは「お問い合わせ」経由のリードよりも営業活動が後回しとなり、ほったらかし状態になっている企業も多いのではないだろうか。
そこで今回は、資料請求やホワイトペーパーダウンロードを通じて獲得したリードがどれほど成果につながっているのか、成果につながっている企業はどのような営業アプローチをおこなっているのかを明らかにすべく、アンケート調査を実施。B2B企業が資料請求やホワイトペーパーダウンロード(以下、ホワイトペーパーDL)から成果を出すために必要なアクションを提言する。
「資料請求やホワイトペーパーDLによって獲得したリードがどれほど受注につながっているのか」「リード獲得直後、営業をかける企業を絞っているかどうか」など、Googleアナリティクスのデータからは見えない成果や営業アプローチについて、B2B企業を対象にアンケート調査をおこなった。
回答対象者 | B2B企業(法人を営業対象とした企業) |
|---|---|
有効回答数 | 47社 |
アンケート回答期間 | 2020年7月15日〜28日 |
資料請求・ホワイトペーパーDLそれぞれに対して同様の質問をおこなった。

今回は資料請求・ホワイトペーパーDLに関する調査であることをタイトルに明記した上でアンケート調査を実施したが、それでもなお資料請求というCVポイントを設けていない企業が全体の約3割も存在した。

資料請求の動線を設けている33社のうち75.7%は明確に受注につながっていると回答しており、平均約2割、最大7割という結果となった。以下のアンケート結果は「3割以上受注につながっている企業」と「そうでない企業」を分けて数値を見ることによって、成果が出ている企業の共通点を探る。

| 全体 | 受注率3割以上の企業 | 受注率3割未満の企業 |
|---|---|---|---|
資料請求月間件数の中央値 | 90 | 85 | 90 |
毎月の資料請求の件数の中央値は90件であり、3割以上受注につながっている・つながっていない企業間に差はほとんどなかった。


資料請求の件数には差がなかったものの、資料請求後に「電話をかけた割合」には決定的な違いがあった。グラフのとおり、成果につながっている企業は明らかに電話をかけている、すなわち営業をかけている割合が高い。
リード獲得後のアプローチについて、「直後に営業をかけているか否か」「営業をかける企業はどういう基準で絞り込んでいるのか」「お客様のニーズはどのように確認しているのか」という3つの質問をおこなった。



Q6 資料請求発生直後のアクションについて、成果につながっている企業は10社中6社(60.0%)が「全社にすぐ営業をかける」と回答しているのに対し、成果につながっていない企業は23社中13社(56.5%)が「一部の企業に営業をかける」と回答しており、傾向に違いがあった。つまり成果を出すためには、営業先の絞り込み方にこだわる前に「まず営業をかける」という初動が重要であるといえる。

ホワイトペーパーDLの動線を設けていない企業は過半数の57.4%も存在しており、資料請求より実施率が低かった。

ホワイトペーパーのダウンロードができる20社のうち12社(60%)が「受注につながっているのは1割程度」と回答。CVのハードルが低い分、当然ながら資料請求と比べると受注につながる割合が低い結果となった。
以下、1割以上受注につながっている企業とそうでない企業を比較しながらアンケート結果を分析する。

| 受注率1割以上の企業 | 受注率1割未満の企業 | |
|---|---|---|---|
ホワイトペーパーダウンロード月間件数の中央値 | 75 | 200 | 45 |
1割以上受注につながっている企業は中央値でみても毎月200件のダウンロード数を獲得しており、受注につながっていない企業と約4倍もの差があった。毎月200件ダウンロードのうちユニークな新規企業の約1割が受注につながると考えると、受注につながる割合が低いとはいえ、ある程度インパクトのある成果が見込めるだろう。


ホワイトペーパー経由のリードは受注・商談につながる割合が低いが、そもそも年間で見ても平均44%程度しか電話をかけられていない、すなわち営業をかけられていないことがわかった。



リード獲得後のアプローチについては、1割以上受注につながっている・つながっていない企業間で特に差はなかった。資料請求とホワイトペーパーDLとで全体の傾向を比較すると、ホワイトペーパーDL後はメルマガ配信やMAで様子を見るという待ちの姿勢が強く感じられる。
コンテンツマーケティングやSNS広告などでニーズ潜在層からのサイト流入がある場合、ユーザーはいきなり「お問い合わせ」をしないため、「資料請求」や「ホワイトペーパーDL」はCVR改善に有効だ。にも関わらず、約3割の企業がまだこれらのCVポイントを用意していない。まずは動線を設置することからはじめよう。
獲得したリードをその後受注につなげられるかどうかは、営業との連携が欠かせない。特に資料請求の場合は直後に営業をかけられるかどうかで成果が変わる。お問い合わせに比べるとどうしても対応が後回しになりがちだが、営業活動を怠らず地道に毎回アプローチをかけ続けている企業だけが、平均値以上の受注につなげることができるのだ。
ホワイトペーパーは当然他のCVポイントに比べると受注につながる割合が1割程度と低いものの、ダウンロード件数を月間数百まで引き上げることが可能であるため、結果として売上にインパクトを出し得る。また、そもそも獲得したリードの半数以上が営業手つかずの状況であるため、「セミナー参加」など次なる購買ステージへユーザーを引き上げる努力が、どの企業も必要だといえる。
あるビジネス系の製品比較・資料請求サイトの運営者から「利用企業のうち成果に満足している企業は資料請求があった時の営業対応が早く、成果に満足していない企業は営業対応が遅く、リードを放置している」という話を以前に聞いた。
これはマーケティングのチャネルやプロダクト自体ではなく、『営業対応のスピード』によって、商談受注率が変わり、企業の売上や市場シェアも変わりうる、というエピソードだ。
本調査でも、Webサイトに「資料請求」を設置している場合、成果につながっている企業ほど資料請求後に電話をかける割合が多いことが明らかになった。海外でもInsideSales.comが「リードに5分以内に架電すると10分以内に架電した場合の4倍も見込み案件につながりやすい」という調査を発表しているが、リードへの営業対応の質はその後の成否を大きく分ける。
事業の成長が鈍化している時、広告のクリエイティブやWebサイトのコンテンツ、セミナーの内容、果てはマーケターのスキルやセンスに原因を求めるのは容易い。しかし、「獲得したリードへの対応」という足元の活動が疎かになっていることで、受注を取り逃してはいないだろうか。
「素早く、抜けもれなくリードに対応する」という凡事を徹底できているか。改めて、自社の営業活動を見直す価値はあるだろう。
ホワイトペーパーは受注に至りづらいため敬遠されがちだ。しかしニーズが顕在化したユーザの問い合わせを青天井に増やすことはできない。
ニーズは顧客企業の社内事情によっていきなり発生する。外部ベンダーがランディングページを作り込んで説得したくらいで、顧客企業のニーズが顕在化することはありえない。商談の数を増やしたいなら、ニーズが潜在的なユーザにまでリーチしなければならないのだ。
BtoBの購買行動において、ニーズが顕在化する前に、候補が絞られていることが多々ある。知人の口コミ、展示会での名刺交換、認知広告など、ニーズが潜在的なタイミングから顧客と接点を持てれば、競合と比較されることも減るだろう。
当然、ホワイトペーパーをダウンロードした全ユーザとじっくり商談する必要はない。まずインサイドセールスが、ターゲット条件を満たすか、ニーズは顕在化しているか、などを確認する方法は一般的だ。デジタル活用が浸透すればするほど、顕在顧客を奪い合う競争は激化するため、その先で魅力的なホワイトペーパーを作れる企業と、インサイドセールス等で顧客データを管理できる企業が生き残るだろう。
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