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2022.09.14

パナソニック インダストリー株式会社
副社長執行役員 営業担当(兼)営業本部長
松下電器産業株式会社入社。入社以来、主にグローバルでの車載ビジネスに営業・販売会社責任者として携わり、約16年間の欧米駐在を経験。2019年 パナソニック株式会社 執行役員。前身となるインダストリアルソリューションズ社副社長(兼)営業本部長に就任後は、長きにわたる海外での事業経験を活かし、お客様に寄り添った“リアルタイム衆知経営”の実現に向け、営業DX改革を積極的に推進。
営業本部 営業プラットフォーム統括部 統括部長
松下電器産業株式会社入社、入社以来、B2Bにおけるデバイスのグローバルマーケティング・営業・企画を国内・海外で担当。欧州販売会社の責任者を経て、2020年よりDX、海外ERPなどを担当する現部門に着任し、現職に至る。
営業本部 営業プラットフォーム統括部 営業DX推進部 部長
松下電器産業株式会社入社。国際商事本部にて海外半導体の輸入営業・ベンダー新規開拓を経験した後、現インダストリー部門にて海外営業を担当。半導体メーカのリファレンスデザインへの採用活動を立上げ、グローバル販売拡大に貢献。2019年より現職にてプロモーション、マーケティングのDX改革を推進。
営業本部 営業プラットフォーム統括部 営業DX推進部 Web推進課 課長
電機メーカでの営業、広報、海外マーケティングを経て、2012年より当時のパナソニック株式会社にて現部署に所属、B to Bの部品ウェブサイトおよび周辺システムの企画/運営責任者。システムリニューアルやPIM導入など大型プロジェクトも推進。
営業本部 営業プラットフォーム統括部 営業DX推進部 Web推進課 主務
プリンターメーカー販社にてCS推進,Webマーケティング等を経験後、パナソニックインダストリーに入社。現職にてWebサイトの企画/運営を担当。リニューアルプロジェクトの推進リーダー。
株式会社WACUL
代表取締役
東京大学卒。株式会社ビービットから、2013年に株式会社WACUL入社。改善施策の提案から施策効果の検証までデジタルマーケティングのPDCAをサポートする自動分析・改善提案ツール「AIアナリスト」を立ち上げ。2019年に産学連携型の研究所「WACUL Technology & Marketing LAB.」を創設し、所長に就任。現在、 研究所所長および代表取締役として、事業のコアであるナレッジ創出を牽引。新規事業や新機能の企画・開発および大企業とのPoCなど長期目線での事業推進の責任者を務める。2022年5月、代表取締役に就任。

※左から、田中氏、山田氏、渡辺春樹氏(弊社研究顧問)、垣内、寺岡氏、福澤氏、久和田氏
・パナソニック株式会社の持株会社制移行による事業会社化を機に、20万品番の商品を扱うWebサイトのリニューアルを企画。顧客や商流が異なる商品別のサイトを統合するため、まずはペルソナやWebサイトの目的など基本的な共通認識をつくることに。
・定性調査で顧客の生の声を初めて聞き、「お客様のことはわかっている」と思っていた担当者も驚きを感じるような、お客様像が明らかになった。
・商品別の顧客にヒアリングした定性調査の分析結果をマッピングし、部署を超えた共通認識を創出。意識のすり合わせができたことで、改善に向けて動けるようになった。
・今後は、 “マーケティングツール” のように認知から購入まで活用できるような Webサイトを実装していく。
垣内 はじめに、皆様の所属する企業や部署について教えてください。
寺岡 我々が所属するパナソニック インダストリー株式会社は、2022年4月に事業会社化したパナソニックグループでデバイス領域を担う企業です。4つの事業部があり、産業用センサーやモーターは “産業デバイス事業部” 、リレーやスイッチは “メカトロニクス事業部” 、コンデンサやインダクタは “デバイスソリューション事業部”、プリント基板や半導体の基板材料は “電子材料事業部” で、製品を開発・製造し、グローバルのお客様に販売しております。事業会社化を機に、Your Committed Enablerというスローガンを掲げました。これにはお客様の課題解決にコミットし、共に歩んでいくパートナーになりたいという思いを込めて制作しました。

福澤 その中で、私たち営業本部の仕事は、グローバルの販売プラットフォームとして営業活動を行うこと。お客様別のアカウント営業を担う営業メンバーに加え、商品を担当する営業担当がいますので、相互に連携をとりながら、仕事を進めています。
垣内 事業部ごとにすごく特色のある商品を出されていますよね。
福澤 そうですね。加えて我々営業本部の特徴は、グローバルで2万5000社、ディストリビューター(販売代理店)を介したお客様も入れると60万アカウントにも及ぶ、多くのお客様がいらっしゃることです。商品も品番で言うと20万以上ありますので、マーケティングから商品・サービスのお届けまでのプロセスで、いかにお客様にご満足いただけるのかが、我々の課題であり、それを支える営業プラットフォームを進化・強化させることがミッションだと思っています。
垣内 非常に難しいミッションですが重要なポイントですよね。今回我々がお手伝いさせていただいたのは、そのミッションを実現するためのWebサイトのリニューアルでしたね。
田中 パナソニック インダストリー株式会社の独立を機に、これまでは別々に存在していた2つの商品Webサイトを統合する話が出てきたんですね。長い間別々で運営されてきたのには理由があって、取り扱っている商品や商流がバラバラだったからなんです。なので今回は、統合を進めるにあたって、まずはWACULさんと一緒に「そもそも私達のお客様は誰で、どんな人なのか」を見直すところからはじめました。
垣内 ペルソナに関しても、当初は本当に多様な人達が出てきましたよね。「こういう人たちもお客様だよね」という層が幅広い。そもそも、今回私たちWACULにご依頼いただいたのはどういう経緯だったんでしょうか。
山田 これまでにも日常的に相談させていただいているコンサルティング会社はあったのですが、今回は改めて「Webのあり方」から細部にわたって考え直さなければならないということで、デジタルマーケティングのプロフェショナルであるWACULさんに依頼させていただきました。
垣内 今回実際にリニューアルを進めてみて印象的だったことはありますか?
山田 「お客様の生の声を知ろう」ということで、定性調査を実施していただいたのですが、衝撃的なくらいインパクトがありました。どんなふうにお客様が我々のサイトを見ていただいているかだけでなく、我々が行っているマーケティング施策全般に対する問いかけもしていただいて。
例えば、 “資料をダウンロードすると30分後に電話がかかってくる” ということについて、「嬉しいですか?嫌ですか?」「どの程度嫌ですか?」といった質問の展開はなかなか自分たちでは考えられなかったですし、我々の営業部門の中にはメルマガでさえ「お客様に嫌がられるんじゃないか」と抵抗感を持っている人がいた中で、実際に定性調査をしてみるとそんなに嫌がられないという、想像と違う答えが出てきたのは、大きな気づきでした。
田中 営業には、実際にお客様とお話しする機会が多いので “お客様のことはよく知っている” という自負がありましたが、「お客様のこと、まだまだよく知らなかったな」と感じたというのが率直な感想でしたね。
垣内 まさに私たちが調査のお話をすると「調査はいっぱいやってるんだよ」「営業する中で顔を合わせるから、ちゃんとお客様のことはわかってるよ」という話になり、調査の価値が伝わらないこともあるので、そう言っていただいて嬉しいですね。
田中 お客様だけでなく、お客様という鏡を通じて自社の商品についても、新しく気づきを得ることもあって。そういった驚きとともに、いい意味で、原点に立ち返ることができたんじゃないかなと思います。
垣内 ありがとうございます。貴社はこれまでにも沢山調査を実施してこられたんでしょうか?
田中 Web上での調査は行ってきましたが、お客様に直接お話を聞く調査はほぼ初めてでした。というのも、 “そういった質問をお客様に行うのはNG” という考えがありまして。以前も定性調査をやろうと思ったものの、お客様をご紹介いただくところで頓挫してしまったことがありました。それが、今回は事業部の方々をWACULさんがうまく説得してくださったことで実施に至り、「こんな調査ができるんだ」と驚きました。実際に調査をやってみると、本当に沢山の発見があって、この一歩はすごく大きかったと思います。
山田 調査の結果を単に出すだけではなくて、原因の紐解きをしていただいたことで、気づきも沢山あったかなと思います。これまでも、我々の会社に関連する調査結果を購入して見ることもありましたが、調査結果の先に深い洞察がなければ、それを活かしてどう改善していいのかわからない。今回は、たとえそれが仮説でも「この結果はこういうことが原因ですよ」というところまでの洞察をいただいたので、この結果を、次の改善に活かすことができます。
福澤 分析結果のカテゴライズに関しても、製品への要求仕様変化とパナソニック部品の純粋想起と大きく2つの分け方をしていただいたんですが、「なるほど、そういう分け方をするんだ」という驚きがありました。ペルソナをはっきりさせながら、マーケットを分類して掘り進んでいくアプローチは、その後、我々の施策の中でもベースになる考え方になりました。非常に参考になりましたね。
垣内 貴社は “コンサル慣れ”されていると思うのですが、その上で「WACULはここが違った」と思う部分はありましたか?
山田 あるべき論を並べるのではなく、直近の課題に対して率直にアドバイスをいただけるところが印象的でした。家のリフォームに例えるなら、「窓がこうなってるから、次回は変えましょう。どうしてこの窓がダメなのかわかりますか?それはこれが理由です。だから、こうしましょう」というくらいの手触り感。今抱えている悩みごとに関しても、具体的に原因を突き止めて、丁寧にどうすればいいかという仮説も伝えてくださる。それはプロジェクトにしっかり入っていただいているからこそですし、その分野に精通したスペシャリストであることはもちろん、耳の痛い話題にもぐっと踏み込むメンタリティがないとできないことかなと。
田中 今回、Webサイトとしてのコンセプトや目的、お客様像を整理して、はじめて「Webサイトでやりたいこと」以前に「私たちのWebサイトはどうあるべきか」を考えることができたと思います。本来Webサイトは根幹にそういう考えがないといけないと、わかっていながらも、我々だけでは整理できていなかったので、「やっとできた!」と思いましたね。
久和田 Webサイトのリニューアルって、ついつい各論から入ってしまいますよね。「デザインどうしよう」「ドメインどうしよう」って。そして、各論起点でも一応それっぽくはできあがってしまうのがWebサイトだとも思うんです。でも、今回は各論の前にグランドデザインのところで、コンセプトをつくったり、ペルソナを考えてみたりした結果をWebサイトの設計に反映できて、すごく意味があったなと思います。
田中 今後、その上に積み上がっていく施策も、きっとコンセンサスを取りながら進めていけるんだろうなと思っていますし、部署を横断した施策を進めるにあたって大事な一歩だったと本当に思っています。
垣内 プロジェクト期間だけでなくその後にも活かせるアウトプットが提供できて、私たちも嬉しいです。ただ実際、私たちが関わっている期間の中でも、すでにどんどん雰囲気が良くなっていましたよね。
田中 事業部の皆さんもすごく協力的でしたよね。「積極的に関わらなきゃ」という雰囲気ができていました。自分の担当商品以外のお客様を見るのがすごく新鮮だったんだと思います。他のお客様を見ることで視野が広がったのかなと。
久和田 調査をしていると、商品が違っていても、課題が同じだということがわかってきて。その課題をマッピングして整理いただいたので、より一層、課題について共通認識が持てたり、事業部を超えた課題を考えるきっかけができたんだと思います。
垣内 ミーティングでも回を追うごとに発言が増えてきたりして、会議の盛り上がりも尻上がりに変わっていたと思いますね。
田中 出てきた結果について、事業部の中で話し合ったとか、営業にも共有してみましたという事業部さんが、どんどんでてくるようになりましたよね。自分が感動した情報だからこそ、周りにも知らせようとする動きが出てきたのかなと思いますね。
垣内 「感動する情報」と言っていただけるとコンサル冥利に尽きますね!実際に、僕らの報告書に対して、各事業部の方みずから「自分たちの考え」を書いて持ってきてくださった方もいらっしゃって、ありがたいなと思っていました。
田中 そういった雰囲気が、これから改善を進めていく上での「じゃあ、(部署を超えて)一緒に解決策を作っていこう」という雰囲気にうまく働きつつあるので、ありがたいなと思っています。
垣内 ありがとうございます。最後に、これからマーケティング施策として取り組んでいきたいことを教えて下さい。
山田 これまでは私どものWebサイトは “商品サイト” “カタログサイト” としての性格が強かったのですが、それをデジタルマーケティングの入り口として変えていき、営業・マーケティングの変革に直結できるようなツールに育てていきたいと思っています。カスタマージャーニーの入り口である認知から購入まで、常に活用できるような構想で今後も施策を打っていきたいですね。
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